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パーセル効果によって可能になった単層半導体自由空間光変調器

Nature Photonics 17, 10 doi: 10.1038/s41566-023-01250-9

位相緩和過程や非放射脱励起過程は、室温においてさまざまな量子デバイスの性能を制限する。今回我々は、デバイス電極のフォトニック設計を通して、こうした望ましくない効果の悪影響を著しく低減する一般的手段について示す。今回の設計によって、便利な電気的ゲーティング機能と電荷注入機能が可能になる一方で、競合する好ましい放射脱励起を高速化する大きなパーセル増強が促される。我々は、半導体原子層に基づく自由空間光変調器を用いて、このコンセプトを実証する。我々は、ナノパターンを形成した銀ゲートパッドのプラズモン応答を操作して、単層二硫化タングステンにおける励起子の放射脱励起速度を1桁増強にすること成功し、室温でこの種の材料について過去最高の変調効率を得た。我々は、10%の反射率変化と3 dBの信号変調を実験的に観測した。これは、真空中で懸垂型単層を用いた変調と比較して20倍の増強に相当する。また我々は、デザイナー表面パターンを用いて光場の動的制御を実現する方法も説明する。今回の研究は、高性能デバイスを開発する際の強力な手段として放射脱励起操作を適用する利点を浮き彫りにし、そうした操作によって、材料品質を改良する多大な努力が補完される。

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