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テラヘルツ表面波によって駆動されるメガ電子ボルトの電子加速

Nature Photonics 17, 11 doi: 10.1038/s41566-023-01251-8

相対論的エネルギーの粒子は、加速科学の基礎となる。テラヘルツ駆動加速の出現によって、非常に小型でコスト効率の良い加速器の実現が期待されている。しかし、これまで、加速構造内部の場の強度のせいで、エネルギー利得がメガ電子ボルト域に到達できないでいる。今回我々は、導波路への強い閉じ込めと、加速に好都合な基本横磁場モードを用いて、テラヘルツ表面波によって駆動される最大で1.1 MeVの電子エネルギー利得と最大で210 MV m−1の有効加速勾配を実証する。テラヘルツ表面波と電子の速度の相違によって、時間的圧縮や空間的集束を含めて位相空間制御が可能になり得る。我々は、今回の原理証明の結果が、小型顕微鏡法、放射線源、がん治療への応用向けの、テラヘルツ表面波によって駆動される調整可能な高効率電子加速器の開発を可能にすると予想する。

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