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逆設計されたメタ分散マイクロ共振器を用いたマイクロコムの調整
Nature Photonics 17, 11 doi: 10.1038/s41566-023-01252-7
光マイクロ共振器における非線形波動混合によって、小型光周波数マイクロコム生成に新しい視点がもたらされ、可能になる応用の数がますます増える。マイクロコムが示すスペクトルプロファイルは、主にマイクロ共振器の分散によって決定される。異常群速度分散下での散逸Kerrソリトンのsech2スペクトルは、その一例である。今回我々は、共振器における任意のメタ分散を最適化することによって、マイクロコムをスペクトル整形する逆設計法を提示する。我々は、遺伝的アルゴリズムに系の支配方程式を組み込むことによって、スペクトル的にフラットなコムやガウス分布に近いパルスなど、ユーザー定義のターゲットスペクトルとよく一致したマイクロコムを生成する分散プロファイルを効率よく特定できた。我々は、フォトニック結晶共振器において選択的双方向モードハイブリッド化を用いて、こうした最適化された複雑な分散プロファイルを具体的に実現したことを示す。さらに、我々はそうしたフレキシブルな「メタ」分散制御を用いていくつかのマイクロコム発生器を作製して調べた。その分散は、共振器を構成する導波路によって制御されるだけでなく、共振器内部のコルゲーションによっても制御され、それによって共振器における双方向結合のスペクトル分散が幾何学的に制御される。今回の方法は、プログラム可能なモードごとの周波数分割をもたらし、ひいてはKerrソリトンなどの光学状態の非線形ダイナミクスを制御するための設計空間を大幅に拡大する。