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連続時間データとフォトニック・テンソルコアを用いたより高次元の処理
Nature Photonics 17, 12 doi: 10.1038/s41566-023-01313-x
ハードウエアベースの「アクセラレーター」における新たな進展は、エレクトロニック・テンソルコアやメモリスターベースのアレイからフォトニック実装まで、多岐にわたる。こうしたアプローチの目標は、指数関数的に増大する機械学習の計算負荷に対処することであり、それには、今やハードウエアの能力を約3.5カ月ごとに2倍にする必要がある。1つの解決策は、そうしたハードウエアで処理可能なデータの次元を増やすことである。空間多重化と波長多重化による二次元データ処理がこれまでに報告されているが、三次元処理の利用は、ハードウエアにおいてまだ実現されていない。今回我々は、フォトニック信号のRF変調を導入して並列化を高め、空間的に分散させた不揮発性メモリーと波長多重化に加えて、データにさらなる次元を追加していた。我々は、より高次元の処理を活用して、そうしたシステムを、エッジコンピューティング・フレームワークに適合するアーキテクチャーに構成した。今回のシステムは、空間自由度と波長自由度のみを用いた実装よりも2桁大きい100の並列処理を達成していた。我々は、心血管疾患患者の100件の臨床心電図信号の同時畳み込みを行うこととともに、93.5%の精度で突然死リスクのある患者を特定できる畳み込みニューラルネットワークを構築することによって、このことを実証した。