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シード型自由電子レーザー用の新しいタイミングツールを用いた、二色光イオン化における電子波束のアト秒コヒーレント制御
Nature Photonics 17, 2 doi: 10.1038/s41566-022-01127-3
超高速分光法において、時間分解実験の時間分解能は、ポンプパルスとプローブパルスの持続時間と、その相対同期の制御と特性評価に依存する。極端紫外スペクトル領域やX線スペクトル領域で動作する自由電子レーザーは、さまざまな物理過程を調べるための広範なポンプ・プローブ配置において、持続時間がフェムト秒やアト秒のパルスを生成する。しかし、実験装置の大きな寸法と高い複雑性と共に、このフレキシビリティーによって、時間遅延の制御がフェムト秒領域に制限されるので、光サイクル未満の時間分解能が阻まれる。今回我々は、1原子単位(24アト秒)の分解能で、シード型自由電子レーザーによって生成したアト秒パルス列と近赤外場の光学振動の間の相対同期を決定できる新たなシングルショット技術を実証する。我々は、このアト秒タイミングツールを用いて、高次近赤外遷移の位相の操作による二色場における光イオン化のアト秒コヒーレント制御の初の例を報告する。