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3Dハロゲン化鉛ペロブスカイトの再結合速度の非常に大幅な抑制による光検出器の性能向上

Nature Photonics 17, 3 doi: 10.1038/s41566-022-01151-3

ハロゲン化鉛ペロブスカイト(LHP)におけるキャリア寿命の延長によって、高効率環境発電や高効率光検出器への応用のための新しいスキームが可能になり得る。しかし、化学的処理を施さずにLHPにおける再結合過程を抑制することは、依然として未解決の課題である。今回我々は、ハイパボリックメタマテリアル上に配置すると、三次元LHP多結晶薄膜における再結合速度が大幅に低下し得ることを示す。我々は、運動量分解イメージングを通して、このLHP膜が支配的な面内遷移双極子を有し、この面内遷移双極子が再結合速度の低下の原因であることを明らかにした。我々は、MAPbI3 LHP薄膜の再結合速度が、プラズモニック・ミラー上に配置すると約50%、ハイパボリックメタマテリアル上に配置すると約30%低下することを観測した。さらに我々は、(Cs0.06FA0.79MA0.15)Pb(I0.85Br0.15)3の再結合速度が10分の1に低下することを見いだし、励起子捕獲ダイナミクスに基づいて再結合過程の大幅な抑制の起源を論じている。我々は、LHPの再結合速度を制御することによって、LHP系光検出器の光応答度が250%増大することを実証した。結果として得られた物理的知見は、LHP系のオプトエレクトロニクスデバイスやフォトニクスデバイスの効率を向上させる新しい手段をもたらすと思われる。

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