Article

帯域幅が広く温度許容度の高いプラズモニック・マイクロレーストラック型共振変調器

Nature Photonics 17, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01161-9

共振変調器は、電気データを波長多重光キャリアにエンコードする。現在、シリコン・マイクロリング変調器は、そうしたリンクの実装に有望であると考えられているが、帯域幅が限られているとともに、熱安定化システムが必要である。今回我々は、シリコン・マイクロリングの後継デバイス候補としてプラズモニック・マイクロレーストラック型変調器を提示する。この変調器は、同じく小型で、相補型金属酸化膜半導体レベルの駆動電圧に適合できるが、電気光学帯域幅が176 GHzで、動作温度変化に対する安定性が28倍向上しており、自己発熱効果がない。耐熱性の有機電気光学材料によって、85℃のデバイス温度での動作が可能になった。我々は、単一の共振変調器を用いて、1ビット当たり12.3フェムトジュールで、最高408 Gbpsの強度変調伝送を示す。プラズモニック・マイクロレーストラック型変調器によって、低消費電力かつ(不要でなくても)最低限の温度制御で、小設置面積で高いデータ転送速度(例えば、次世代通信リンクが目指す1.6 Tbps)をエンコードするための解決策が得られる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度