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縦ポンピングされたシード型軟X線レーザーにおける時空間結合による群速度制御

Nature Photonics 17, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01165-5

レーザー・プラズマ相互作用における固有の限界を克服するために、時空間結合による超短レーザーパルスの群速度の制御が提案されてきた。今回我々は、赤外ポンプビーム(プラズマ増幅を生じさせるのに用いられる)と軟X線シードビームの群速度の不整合という固有の問題があるシード型軟X線レーザー(SXRL)の性能が、この方法によってどのように向上するかについて報告する。ポンプ群速度が0.55cから1.05cまで変化すると、エネルギー抽出は3倍高くなった。また我々は、SXRLパルス持続時間がポンプビーム速度によって支配されることも実証する。固有の群速度不整合を補償することによって、SXRLパルス持続時間を伝搬に沿って一定に維持できるため、350 fsという短い高エネルギーパルス(最高で2 μJ)が得られる。こうした成果は、プラズマ中を伝搬する高強度レーザーパルスの群速度の制御による応用における、いわゆる「飛行焦点効果(flying focus effect)」の実験的実証となる。

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