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極めて明るく安定した単結晶ペロブスカイト発光ダイオード
Nature Photonics 17, 5 doi: 10.1038/s41566-023-01167-3
金属ハロゲン化物ペロブスカイト発光ダイオード(PeLED)は、発光波長を調整でき、発光帯域幅が狭く、外部量子効率が高いため、大いに関心を集めている。しかし、PeLEDは、イオンマイグレーションに起因する短いデバイス寿命と、重度のオージェ再結合に起因する低い輝度という、応用を制限し得る2つの重要な問題に直面している。今回我々は、in situ溶液成長ペロブスカイト単結晶(SC)によっていずれの問題も軽減できることを実証する。混合カチオンを用いるとともに過剰なハロゲン化アンモニウムとポリビドンを前駆体に加えてトラップ密度を最小限にすることによって、SCの外部フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)が28.3%に増大した。これは、89.4%の内部PLQYに相当する。SCにおけるオージェ再結合の抑制の恩恵を受けて、厚さ1.5 μmのSC-PeLEDは、8万6000 cd m−2という高い輝度と、11.2%のピーク外部量子収率を示した。イオンマイグレーションの抑制によって、SC-PeLEDの外挿T50寿命は、初期輝度100 cd m−2のとき1万2500時間という値に達した。今回の結果は、SCの成長が、実用化に向けてPeLEDの寿命を延長する実行可能な手段であることを示している。