Article
自由に行動する生物のマルチギガピクセル毎秒の並列計算3Dビデオ顕微鏡観察
Nature Photonics 17, 5 doi: 10.1038/s41566-023-01171-7
高速かつ高空間分解能で三次元(3D)情報を解像できる広視野顕微鏡法は、自由に動く生物の行動を調べるのに特に望ましい。しかし、こうした特性を全て同時に最適化する光学機器を設計することは困難である。一般的に既存の技術は、連続的な画像スナップショットを取得して大面積の観察や3D情報の測定を行う必要があるため、スピードやスループットが損なわれる。今回我々は、135 cm2の面積にわたって高速3Dトポグラフィービデオを撮影し、5ギガピクセル毎秒を超える時間・空間的スループットで最大230フレーム毎秒を達成できる、同期された54のカメラのアレイに基づく計算顕微鏡3D-RAPIDを提示する。3D-RAPIDは、同期された各スナップショットについて、54の画像全てを融合して、位置合わせされた3D高さマップを含む合成画像を作る3D再構成アルゴリズムを用いている。自己管理3D再構成アルゴリズムは、ニューラルネットワークを訓練して、立体重複冗長性と唯一の管理機構としての光線伝搬物理を用いて、生の測光画像を3Dトポグラフィーにマッピングした。従って、この再構成過程は、一般化誤差に対してロバストであり、任意のサイズのカメラアレイから任意の長さのビデオにスケーリングする。我々は、自由に行動する数種の生物(アリ、ミバエ、ゼブラフィッシュの幼生)を用いて3D-RAPIDの広い応用可能性を実証した。