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散逸性量子流体における渦のクラスタリングの始まりと逆エネルギーカスケード
Nature Photonics 17, 5 doi: 10.1038/s41566-023-01174-4
乱流現象は、古典流体と量子流体の両方が示すことがある最も著しい効果の1つである。古典乱流は自然界の至る所に見られるが、量子乱流の観測には、超流動ヘリウムや原子ボースアインシュタイン凝縮体などの量子流体を精密に操作する必要がある。今回我々は、運動エネルギースペクトルを測定するとともに渦のクラスタリングの始まりを示すことによって、光と物質のハイブリッド準粒子である励起子ポラリトンの二次元量子流体の乱流ダイナミクスを実証する。我々は、量子渦のクラスターの形成が、渦当たりの非圧縮性運動エネルギーの増大によって引き起こされることを実証し、今回の系が散逸性であるにもかかわらず、渦ガスが高励起配置に向かう傾向にあることを示す。今回の結果は、光の二次元流体における量子乱流の研究の基礎を築くものである。