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単一光子感度の安定したペロブスカイト単結晶X線撮像検出器

Nature Photonics 17, 6 doi: 10.1038/s41566-023-01207-y

医用X線撮像の主眼は、患者が受けるX線量を単一光子感度まで最小化することである。そうした特性は、CdTeやSiなどの数種の直接検出型半導体材料を用いた場合にのみ実証されている。それにもかかわらず、医療診断への産業展開は、依然として複雑かつ高コストな製造工程によって阻まれている。ハイブリッド鉛ハロゲン化物ペロブスカイトは、溶液成長が容易なため、実現可能な代替材料になり得る。しかし、ハイブリッドペロブスカイトは、構造不安定性と電子・イオン混合伝導性を示すため、X線検出器における高電場バイアス下で不安定になる。今回我々は、正孔輸送電極の上に直接溶液成長させた厚く均一なヨウ化鉛メチルアンモニウム単結晶膜(膜厚最大300 μm)を用いたペロブスカイトX線検出器において、単一光子計数性能と長期安定性能の両方が、ゼロ電圧バイアスでの光起電動作モードで達成されることを示す。このデバイスの動作時安定性は、1年を超えた。18 keVのX線を用いて検出効率88%と雑音等価線量90 pGyairが得られており、単一光子感度の低線量エネルギー分解X線撮像が可能になっている。アレイ検出器は、11 lp mm−1までの高い空間分解能を示している。今回の知見によって、X線撮像用の安価な低線量・商用検出器アレイにハイブリッドペロブスカイトを実装する道が開かれる。

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