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渦励起による一方向性無偏光ルミネッセンス放射
Nature Photonics 17, 7 doi: 10.1038/s41566-023-01226-9
サブ波長スケールでの光放射方向の制御は、フォトニクスや生物学にける量子情報処理や光学撮像に重要な機能である。光のスピン軌道相互作用は、円偏光フォトルミネッセンス(PL)の方向の動的調整に広く採用されているが、一般的に無偏光ルミネッセンスを生じさせる多くのルミネッセンス材料においてこれを達成することは困難である。今回我々は、空間的に対称なナノピラー格子における、光子軌道角運動量によってアシストされた無偏光ルミネッセンスの一方向性放射の光学的制御について報告する。アンチストークスシフトPL放射の方向性は、入射渦ビームのヘリシティーによって制御できる。一次元ナノピラー格子における無偏光PL放射の実験による指向性は、0.59に達し得る。これは、スピン機構によって可能になるものより著しく強い。従って、今回の知見から、調整可能なナノスケールの光学的放射制御を実現する新しい有望な方法が得られる。