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ハイスループット超解像イメージングのための蛍光ゆらぎの検出強化
Nature Photonics 17, 9 doi: 10.1038/s41566-023-01234-9
ハイスループット超解像(SR)イメージングは、さまざまな生物医学応用における迅速な高精度プロファイリングに魅力的である。しかし、現行のSR法は、単一視野を取得するのに、高度な取得光学系と長い積分時間を必要とする。ゆらぎ顕微鏡法は、蛍光の自然な光物理を利用することによって、追加の光学部品を必要とせずに、日常的に回折限界を破ることができる。しかし、取得時間が長いため、依然として、ハイスループットイメージングや過渡的な細胞ダイナミクスの可視化に難題をもたらしている。今回我々は、二段階デコンボリューションを用いた自己相関に基づく超解像イメージング(SACD)を提案する。今回の方法は、各測定において検出可能な蛍光ゆらぎ挙動を最大化することによって、必要なフレーム数を著しく減らしている。SACDは、方位解像度と軸解像度を2倍向上させるのにわずか20フレームしか必要としないが、現行のSR光学ゆらぎイメージング(SOFI)は1000フレーム以上必要である。我々は、2.0 mm × 1.4 mmの視野にわたって128 nmの解像度で、2000個以上の細胞を含むSR画像を取得時間約10分で記録した。スパースデコンボリューション支援SACDは、連続性とスパース性のジョイント拘束を適用することによって、生細胞や、ミトコンドリアの分裂・融合などの事象の四次元イメージングを可能にする。まとめると我々は、SACDがオープンソースモジュールとしてSRイメージングへのアクセス性を向上させることで、ハイスループットかつ低コストで細胞や生命体の生物学的研究が促進されると予想する。