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シリコン上の高帯域幅ペロブスカイトフォトニック光源
Nature Photonics 17, 9 doi: 10.1038/s41566-023-01242-9
発光ダイオード(LED)は、現代社会の至る所にあり、照明やディスプレイから医療診断やデータ通信までさまざまな応用がある。ハロゲン化金属ペロブスカイトは、オプトエレクトロニクス特性や溶液プロセス適性が優れているため、有望なLED用材料である。外部量子効率を最適化する研究が大きく進んでいるが、ペロブスカイトLEDの変調特性についてはまだよく分かっていない。今回我々は、ペロブスカイト系におけるアルキルアンモニウムカチオンの調節に基づいて、シリコン上に高速ペロブスカイトフォトニック光源を実現する総合的方法を報告する。我々は、変調性能に関係するさまざまなキャリア密度領域における荷電種の再結合挙動を明らかにする。我々は、シリコン上にファブリーペロー・マイクロ共振器を集積することによって、光取り出し効率の高いペロブスカイトデバイスを実証している。我々は、最大で42.6 MHzのデバイス変調帯域幅と50 Mbpsを超えるデータ転送速度を達成し、さらなる解析によって、帯域幅がギガヘルツレベルを超える可能性があることを示唆している。今回開発した原理は、次世代データ通信アーキテクチャー向けのペロブスカイト光源の開発を後押しすると思われる。シリコン基板上に溶液プロセスで作製したペロブスカイト発光体が実証されたことは、マイクロエレクトロニクスプラットフォームとの集積化の可能性も開く。