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集積フォトニックプロセッサーを用いて任意の光学系の最適通信チャネルを決定する
Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01330-w
光学系を通る伝搬モードは、一般的にその系の波動方程式の固有解として規定される。しかし、複雑な媒体や高散乱媒体を通して伝搬が起こる場合、一連の入力アパーチャーと出力アパーチャーの間で情報を送信する最良の直交通信チャネルとして、モードがより適切に特定される。今回我々は、フォトニックプロセッサーを用いて、任意の散乱光学系を通る最適な双方向性直交通信チャネルを決定した。このプロセッサーは、シリコンフォトニクスにおいて電気的に調整可能なマッハツェンダー干渉計のメッシュで構成されている。このメッシュは、外部計算や較正、光学系に関する予備知識なしに、単純な出力最大化または最小化のアルゴリズムに基づいてそれ自体を構成できる。通信モードチャネルの特定は、光学系全体の特異値分解に対応し、フォトニックプロセッサーによって自律的に実行される。歪んだマスクや部分的障害物が存在していても、最適化されたチャネル間で観測されたクロストークは−30 dB未満である。こうした場合、ビームは従来のモード群にほとんど似ていないが、依然として直交性を示す。今回の知見は、多モード光通信システムに応用される可能性をもたらし、効率的なチャネル特定や、動的媒体への適応性、環境面の困難に対するロバスト性が期待される。