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ペロブスカイト発光ダイオードにおける電気的にアシストされた自然放射増幅光

Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01341-7

金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、薄膜レーザーダイオード向けの有望な利得材料として浮上している。しかし、ペロブスカイト発光ダイオード(PeLED)において、ペロブスカイトレーザーダイオードの前提条件である電気励起自然放射増幅光(ASE)の実現は、デバイススタックにおける高い伝導率と高い正味モード利得という矛盾する要件によって阻まれている。今回我々は、低い光学損失と優れた電流注入特性を併せ持つ透明PeLEDアーキテクチャーを開発した。我々は、77 K において2.3 nsの光パルスを用いて、しきい値9.1 μJ cm−2でASEを実現した。77 Kにおいて同じデバイスをサブマイクロ秒電気励起したところ、3 kA cm−2を超える電流密度と40 W cm−2を超える放射照度値を達成した。特に、強い電気パルスの前縁に同期した光パルスでPeLEDを共励起すると、ASEしきい値が1.2 ± 0.2 μJ cm−2低下し、電気的に注入された電荷が光学利得に寄与することが示された。また我々は、ペロブスカイト半導体光増幅器の実現可能性を評価するために、1 μsの光励起でPeLEDを調べ、しきい値3.8 kW cm−2で連続波ASEを観測した。最後に、我々は、そうした強い電気パルスによって、ASEしきい値で連続波光ポンピングによって得た放射照度の半分に近いレベルのエレクトロルミネッセンス輝度が得られることを示す。今回の研究は、このタイプの透明PeLEDを用いることによって、ペロブスカイト半導体光増幅器や注入レーザーが手の届く範囲に入ることを示している。

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