Article

高効率発光ダイオード向けの、双極子–双極子相互作用によってアシストされる量子ドットの自己集合

Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01344-4

最先端の量子ドット発光ダイオードの外部量子効率は、低い光子取り出し効率によって制限されている。ナノロッド、ナノプレートレット、ドットインディスク(dot-in-disc)ナノ結晶などの配向ナノ構造を用いた発光ダイオードは、光子取り出しに有利である。しかし、内部量子効率が低下することが多いため、正味の利得を達成することは困難であることが分かっている。今回我々は、ウルツ鉱相と閃亜鉛鉱相からなる混合結晶構造を特徴とする等方性形状の量子ドットを報告する。ウルツ鉱相は、溶液プロセスで作製した膜において量子ドットを配向させる双極子–双極子相互作用を促すのに対し、閃亜鉛鉱相は、電子状態の縮退を解いて指向性発光を可能にするのに役立つ。こうした特徴の組み合わせによって、内部量子効率が低下することなく光子取り出しが向上する。作製した発光ダイオードは、35.6%の外部量子効率を示し、初期輝度1000 cd m−2で4.5年間連続的に動作でき、性能の低下は約5%とわずかであった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度