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ほぼ無損失の伝搬経路による発光型太陽光集光器の効率向上
Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01366-y
発光型太陽光集光器(LSC)は、建物において環境発電窓として役立つ可能性がある。ナノテクノロジーにおける最近の進歩によって、量子ドットやペロブスカイトなどの新規蛍光体が出現したにもかかわらず、そうした機能性ガラスは、電力変換効率が不十分であるため、商業化が進んでいない。つまり、蛍光体の改良だけでは、LSCの可能性を十分に最大化できない。今回我々は、パターンを形成した低屈折率媒体が光学的「ガードレール」として機能するため実質的に減衰しない光子誘導路が得られる、新しい積層型LSC構造を提示する。また我々は、LSCの寸法と蛍光体のスペクトル特性に関する設計ルールも提案する。我々は、こうしたルールを適用することで、過去最高のLSC性能を達成した。450 nmにおける外部量子効率の測定値は、100 cm2の面積で45%、エッジアスペクト比71のLSCで32%である。デバイス効率は7.6であり、我々の知る限りでは、これまで報告された中で最も高い値である。こうした知見は、工業に影響を及ぼし、LSCの商業化を加速する可能性がある。