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多様な回転対称性を持つ線形フォトニック準結晶における光の局在化の観測
Nature Photonics 18, 3 doi: 10.1038/s41566-023-01350-6
準結晶は、金属合金において初めて観察されて以来、非常に興味深い普遍的な物理構造であり続け、規則媒体と不規則媒体の特性を共有している。準結晶は、フォトニック系やフォノニック系において光学的に誘起された構造や技術的に作製された構造を含めて、さまざまな方法で形成できる。そうした二次元構造における波動伝搬の理解は大きな注目を集めており、さまざまな準結晶系において著しく異なる局在化特性が観測されている。純粋に線形なフォトニック準結晶における局在化の直接観測はまだ困難であり、さまざまな回転対称性が局在化に及ぼす影響は、まだ理解されていない。今回我々は、一連の干渉する平面波を用いて、さまざまな回転対称性のフォトニック二次元準結晶を作製している。我々は、クリーンな線形準結晶においても、光の線形局在化が起こることを実験的に実証する。我々は、光学的に誘起されたポテンシャルの臨界深さを超えると光の局在化が起こり、準結晶の離散的回転対称性の次数の増加とともにこの臨界深さが急速に浅くなることを見いだした。今回の知見は、離散対称性に従うさまざまな非周期的系における波の局在化の実現への道を開き、フォトニクス、原子物理学、音響学、凝縮物質に応用できる可能性がある。