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合成反射自己注入同期マイクロコム
Nature Photonics 18, 3 doi: 10.1038/s41566-023-01367-x
レーザー駆動マイクロ共振器によって、超短ソリトンパルスや周波数コム(マイクロコム)の自己組織化形成を含む、独特な特性を持つチップ集積光源が可能になっている。マイクロコムは、分光法、センシング、光データ処理などの主要なフォトニック応用に影響を及ぼしそうだが、適切なシングルパルス動作を実現し維持するには、依然として複雑な科学的装置を必要とする。今回我々は、この課題に対処するために、調節可能な注入フィードバックを駆動レーザーにもたらすプログラマブルな合成反射(synthetic reflection)を用いたマイクロ共振器を実証する。合成反射は、ランダムサンプル散乱特性からの独立性を実現するとともに、適切に設計されれば、シングルソリトン領域においてのみ動作する自己注入同期マイクロコムを決定論的に得ることを可能にする。こうした結果は、ポータブルセンサー、自律航法、極端な帯域幅のデータ処理向けのスケールで容易に動作可能なマイクロコムを実現する手段をもたらす。また、この合成反射という新概念は、他の集積フォトニックシステムにも一般化される可能性がある。