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スイッチング可能な界面反応によって可能になった安定した高輝度深赤色ペロブスカイト発光ダイオード
Nature Photonics 18, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01369-9
高性能深赤色発光ダイオード(LED)は、生物医学や農業への応用に重要である。しかし、溶液プロセスによる安定した高輝度深赤色LEDの開発は、依然として困難である。今回我々は、ペロブスカイトと電子輸送層の間におけるスイッチング可能な界面脱プロトン化反応を設計し、高品質のCsPbI3ペロブスカイト膜を形成して、安定した高輝度深赤色LEDを作製した。今回の方法は、グアニジンヨウ化水素酸塩を含む前駆体溶液とアルカリ性の水酸化亜鉛層から始まる。アニールすると界面反応がオンになり、高品質のCsPbI3が形成される。同時にアルカリ性水酸化亜鉛層がin situで弱アルカリ性ZnOに変換されることで、望ましくない黄色相CsPbI3ペロブスカイトの形成が妨げられる。結果として、今回のCsPbI3系ペロブスカイトLEDは、駆動電流密度100 mA cm−2で約33.6時間という長い輝度半減寿命と、約1980 W sr−1 m−2という非常に高い放射輝度を示した。さらに我々は、部分的にヨウ化物を臭化物に置換することによって、発光波長が691 nm、100 mA cm−2で輝度半減寿命が50.3時間の高輝度深赤色ペロブスカイトLEDを実現した。