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多官能基エンチノスタットによるフレキシブル・ペロブスカイト太陽電池とミニモジュールの機械的堅牢性と効率の向上
Nature Photonics 18, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01373-z
フレキシブル・ペロブスカイト太陽電池は、柔軟性と高い電力重量比の両立性が期待されるため、大きな注目を集めている。しかし、フレキシブル基板の低い界面付着力と大きな変形に起因して埋もれたペロブスカイト–基板界面の質が低いため、フレキシブル・ペロブスカイト太陽電池の性能が大きく制限されている。今回我々は、エンチノスタットという有機分子をポリ(ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン)という正孔抽出材料に添加し、複数の官能基を介するエンチノスタットとペロブスカイト、ポリ(ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン)、インジウムスズ酸化物の相互作用を用いてペロブスカイト–基板界面における付着力を向上させた。加えて、エンチノスタットには、ペロブスカイトの結晶化を調整する能力があるため、ペロブスカイト膜の底部におけるボイドの密度が低くなる。我々は、電力変換効率23.4%の小面積逆型フレキシブル・ペロブスカイト太陽電池を実証した。また、面積9 cm2のフレキシブル・ペロブスカイト・ミニモジュールで約19.0%の認証開口効率を達成している。最適化した未封止フレキシブル・ミニモジュールは、5000回の曲げサイクル後に初期効率の84%を、750時間を超えるライトソーキング後に初期電力変換効率の90%を維持していた。