In This Issue シリコンで再生 2008年1月1日 Nature Photonics 2, 1 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue64013 弱い光データや歪んだ光データを再生する能力は、現代通信システムの性能と伝送スパンを最大限にするために極めて重要である。残念なことに、現在の再生器は光データを電子信号に変換し、それを処理した後、光ドメインに変換し戻して再伝送しなければならない。これはコストがかかり不便な方法である。しかし、今回、米国コーネル大学のA Gaetaらは、ナノサイズのシリコン導波路を用いて完全再生(光データビットの増幅、リタイミングおよび波形整形)できる全光方式を開発した。この方式では、四波混合と呼ばれる非線形光学分野の有名な技術を利用することにより、入射光線からノイズが多く劣化したデータビットを転送し、それらを波長が異なる第2の光線で搬送されるきれいな高品質データビットに変換している。今回の方法の素晴らしいところは、電子回路が要らないうえに、サイズが非常に小さくシリコンで構成されるため未来の光チップへの集積化が可能なことである。Gaetaらの実験は、世界の光ネットワークで利用される波長域内にある1,550 nmで行われた。 Full text PDF 目次へ戻る