In This Issue 超高性能ファイバー 2008年11月1日 Nature Photonics 2, 11 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue69476 100 fs未満の超短レーザーパルスを長い光ファイバーで導くことができれば、材料加工や二光子顕微鏡法、光線力学療法などの多くの応用に役立つ可能性がある。残念なことに、標準設計のファイバーには分散や非線形性といった問題があるため、送信パルスが伸長されたりひずんだりする。今回、J Skibinaらは、チャープ・フォトニック結晶ファイバーでこれらの問題を克服できることを実証した。Skibinaらのシリカファイバーは、同心円状に網目のように配列した微細加工セルに囲まれた大きな中空コアをもつ。今回の設計で重要なのは、セルのサイズにチャープが導入されたこと、つまり、コアからの距離とともにセルが大きくなることである。チャープはファイバーの分散をほとんどなくす働きをする。これにより、13 fsという短いパルスが1 mのファイバーを伝搬できるようになるが、パルス幅は2倍に広がるだけである。他のファイバーの場合、そのような短いパルスは、パルス幅が何百フェムト秒やピコ秒にまで広がるであろう。しかし、この性能には、他のファイバー設計と比較して減衰が大きいというデメリットも伴う。 Full text PDF 目次へ戻る