Letter カオス的半導体レーザーによる物理的な高速ランダムビット生成 2008年12月3日 Nature Photonics 2, 12 doi: 10.1038/nphoton.2008.227 <p>デジタル情報システムの乱数生成器は、電子雑音や光雑音などの物理的エントロピー源を利用して、確定的に生成した擬似ランダムシーケンスに予測不可能性を付加している。しかし、既存の物理源で実現された生成速度と多くの計算システムや通信システムの高いデータ速度の間には大きな隔たりがあり、これらのシステムの根本的な弱点となっている。今回我々は、半導体レーザーの物理的カオスを利用して、高品質ランダムビットシーケンスを超高速ビットレートで生成できることを示す。2つのカオス的レーザーの揺らぐ光出力をサンプリングすることによって、ランダム性の標準統計テストに合格するビットストリームが最高1.7 Gbpsの速度で生成された。この速度は、ランダム性が検証された物理的ランダムビット生成器に関してこれまで報告された速度よりも1桁速い。このことは、物理的エントロピー源としてカオス的レーザーデバイスを用いて乱数生成器の性能を大幅に向上させうることを意味している。</p> Full text PDF 目次へ戻る