Letter フェムト秒X線/光相互相関器 2008年3月10日 Nature Photonics 2, 3 doi: 10.1038/nphoton.2007.298 <p>化学、生物学、材料科学における超高速ダイナミクスを基本的に解明するために、物質中の原子の軌跡と各原子の化学状態の両方をリアルタイムで追跡する分子動画(molecular movie)を記録することは、長年の夢であった。自由電子レーザーは、元素特異的かつ化学状態選択的な情報をフェムト秒の時間分解能で収集するのに必要な広い光子エネルギー域にわたる高輝度フェムト秒X線パルスを発生するため、この夢の実現に見通しを与える。主な課題は、別個の光レーザーに自由電子レーザーを同期させることにある。我々は、ハンブルクにある最高輝度の自由電子レーザー(FLASH)を利用し、GaAsの光反射率のX線パルスに誘起される過渡変化をX線と光を相互相関させる強力な手段として確立した。これは、分子動画の記録を目指すうえでブレークスルーとなる。また、同じく重要なのは、これによって高輝度X線自由電子レーザーでのみ探査可能なフェムト秒X線誘起ダイナミクスの分野が開かれることである。</p> Full text PDF 目次へ戻る