Letter 半導体からの2光子放出の観測 2008年4月4日 Nature Photonics 2, 4 doi: 10.1038/nphoton.2008.28 <p>二光子放出は、2つの光子の同時放出を通して量子準位間の電子遷移が起こるプロセスである。この現象は天体物理学や原子物理学にとって重要である。実用的な量子情報処理に不可欠であり既存の下方変換方式より3桁効率のよい小型もつれ光子発生源として、半導体二光子放出が最近提案された。半導体における二光子吸収は広範に研究されてきたが、半導体二光子自然放出は観測されておらず、これまでのところ理論的にも十分解析されていない。我々は、半導体からの二光子放出を初めて実験的に観測したことを報告するとともに、対応する理論を展開した。二光子自然放出は、光学的に励起されたバルクGaAsおよび電気的に駆動されたGaInP/AlGaInP量子井戸において実証された。単独誘導二光子放出の測定結果から、理論的に予測された半導体の二光子光学利得(将来の二光子半導体レーザーの実現に必要な要素)が実証された。検出器の時間分解能によってのみ制限される光子コインシデンス実験によって、電気駆動GaInP/AlGaInPにおける二光子放出の同時性が検証されたことを示す。</p> Full text PDF 目次へ戻る