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近赤外ダイポールアンテナによって増強されたナノメートルスケール・ゲルマニウム光検出器

Nature Photonics 2, 4 doi: 10.1038/nphoton.2008.30

光学素子と電子素子の集積化を目指すうえで重大な難題は、現代の電子素子がナノメートルスケールであるのと比較して、光学素子がマイクロメートルスケールと著しく大きいことである。光検出器で光子から電子へ変換する際、このサイズの不一致によって、電力損失、面積、待ち時間およびノイズの点でかなりの不利益がもたらされることが多い。光検出器は、サブ波長活性領域を利用することによって小型化できる。しかし、この方法では、光の回折限界のため応答性が非常に低くなる。今回我々は、電波分野の半波長ヘルツ・ダイポールアンテナ(長さ約380 nm)というアイデアを利用して、近赤外波長(長さ約1.3 µm)の放射光をナノメートルスケールのゲルマニウム光検出器に集中させた。これにより、サブ波長ゲルマニウム素子で得られた光電流において20倍の偏光コントラストが実現した。この素子の活性体積は0.00072 µm3であり、過去に実証された同程度の波長の検出器よりサイズが2桁小さい。

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