In This Issue レージング・スペーザー 2008年6月15日 Nature Photonics 2, 6 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue66843 メタマテリアル(目的に合わせて調整された電磁特性をもつナノ構造材料)とスペーザー(表面プラズモンの増幅器)のコンセプトを組み合わせることによって、新種の時間的・空間的にコヒーレントな放射の平板型放射源を作製できると、研究者らは予想している。理論的に提案されたそのデバイス(N Zheludevらはレージング・スペーザーと呼んでいる)は、光学的または電気的に励起された半導体などの層状利得材料と、微小プラズモン共振器の2次元アレイを組み合わせたものである。利得材料が放射損失とジュール損失を克服できるのであれば、共振器に捕捉された電流振動によってレーザー発振動作が起こる。プラズモン共振器設計にわずかな非対称性を導入することにより、捕捉されたエネルギーの一部を自由空間に逃がすことができる(従来型レーザーの出力カプラの役割と類似している)。Zheludevらによると、この方法は、非常に薄い層状材料において非常に高い利得増幅とレーザー発振を可能にするはずであり、集積デバイス向けに魅力的なものである。その上、放出される放射の波長は、プラズモン共振器のサイズによって決まり、調整することが可能である。 Full text PDF 目次へ戻る