Article 事実上瞬間的な非線形媒質におけるインコヒーレント空間ソリトン 2008年6月15日 Nature Photonics 2, 6 doi: 10.1038/nphoton.2008.81 <p>インコヒーレント空間光ソリトンは、時間的にランダムに変化するマルチモーダル構造をとる自己束縛ビームである。このソリトンは、空間相関に支配される回折による広がりと、波と媒質の非線形相互作用とのバランスがとれているときに形成され、結果としてビームの時間平均強度構造の定常伝播が起こる。インコヒーレントソリトンの実験観測結果によって、ソリトン科学にエキサイティングな新しい道が開かれた。 しかし、これまで観測されたすべてのインコヒーレント空間ソリトンは、遅い応答時間<f>τ</f>の非線形性によって維持されており、その応答時間はビームの固有変動時間よりもはるかに長く、<f><italic>t</italic><inf><roman>c</roman></inf>≪τ</f>である。今回我々は<f><italic>τ</italic>≪<italic>t</italic><inf><roman>c</roman></inf></f>となる、事実上瞬間的な非局所非線形媒質におけるインコヒーレントソリトンを示す。このソリトンは全く新しい特徴(例えばランダムな軌跡での伝播)を示し、光学的に非線形なさまざまな媒質中や、ほかにも非線形性が非局所的で非常に速い場で発生しうる。</p> Full text PDF 目次へ戻る