Article 自己誘導レーザープラズマチャンネルからのGeVクラスの電子ビームの安定生成 2008年9月1日 Nature Photonics 2, 9 doi: 10.1038/nphoton.2008.155 <p>卓上型レーザー駆動プラズマ加速器は、将来の高エネルギー加速器の小型化に利用される可能性があるため注目を集めている。ガスジェットターゲットに超短高強度レーザーパルスを照射することにより、準単一エネルギー電子ビームが生成されることが最近観測された。現在、ビーム生成の安定性と電子ビームの高エネルギー化の可能性が、実用的なレーザー加速器を目指すうえで重要な課題となっている。今回我々は、自己誘導航跡場加速プロセスで、数ミリメートル長の安定なプラズマチャンネルから、GeVクラスの安定な電子ビームを初めて生成したことを示す。バブル領域におけるレーザー航跡場加速の主要な証拠として、1 cm長のガスジェットにおけるプラズマ密度の減少とプラズマ長の増大によって電子ビームのエネルギーと質が向上したことが観測された。続いて行った3次元シミュレーションでは、プラズマバブルの伸長を最小限にすることによってさらに高い電子ビームエネルギーを実現できる可能性があることが示されており、近い将来にビームのエネルギーと質が劇的に上昇すると我々は期待している。これにより、超小型全光学的電子ビーム加速器の実現と、科学、技術、医学への応用に向けて道が開かれるであろう。</p> Full text PDF 目次へ戻る