Letter

六方晶窒化ホウ素を用いた携帯型遠紫外線面発光デバイス

Nature Photonics 3, 10 doi: 10.1038/nphoton.2009.167

多くの研究者が、従来型遠紫外線ランプの代替として遠紫外線波長域で寿命の長い高効率ソリッドステートデバイスを作製しようとしてきた。しかし、遠紫外域動作の効率が低いため、十分に高い性能をもつ遠紫外線デバイスの開発に関する研究が続けられている。本論文では、遠紫外蛍光材料としての六方晶窒化ホウ素の可能性を調べた。具体的には、六方晶窒化ホウ素の高い発光特性を利用して、励起源として電界放出型アレイを備えた小型遠紫外線面発光デバイスを作製し、波長225 nmで出力0.2 mWの安定動作を実証している。このデバイスは、動作時の消費電流が小さいため、乾電池で駆動できる。この手頃な遠紫外線デバイスは、光触媒反応、殺菌、化学物質の修飾など、光化学やバイオテクノロジーへの応用に極めて有用であることが証明されそうである。

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