Letter 可視波長域で優れた収色性を示す生物学的4分の1波長位相差板 2009年11月1日 Nature Photonics 3, 11 doi: 10.1038/nphoton.2009.189 <p>動物は、多様な光物理学的仕組みを利用して光を制御したり操作したりしている。例えば、動物の反射着色や偏光信号の発生である。動物の精密な光学的仕組みは、精巧さと効率の両者の点で、対応する人工光学デバイスより優れていることが多い。今回我々は、口脚甲殻類の眼において天然の全可視域収色性4分の1波長位相差板が機能する生物物理学的機構について報告する。類似の人工位相差デバイスは、重要な光学部品であり、科学的研究と商業的用途の両者で偏光の制御に使用されている。一般的な人工位相差板は収色性を示さず、多層サブ波長回折格子や双晶構造など、精巧な設計によって部分的な波長非依存性が実現されるにすぎない。本論文では、光受容体構造の実験的測定と理論的モデリングを用いて、固有複屈折と構造性複屈折の新しい相互作用が、現在の人工光学素子を大きくしのぐ天然の収色性光学素子をどのようにもたらすのか説明する。</p> Full text PDF 目次へ戻る