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生細胞におけるタンパク質複合体の超分子構造と空間分布の決定

Nature Photonics 3, 2 doi: 10.1038/nphoton.2008.291

<p>光学的に励起されたドナー分子から隣接する励起されていないアクセプター分子への共鳴エネルギー移動は、生細胞における分子相互作用の検出に広く利用されている。これまで、共鳴エネルギー移動は、一握りのタンパク質について、複合体を形成するタンパク質の数といった化学量論的な情報を得るために利用されてきたが、その前に発光波長または励起波長(両方の場合もある)の連続スキャンを行わなければならない。この測定プロセスは時間がかかるため、その間に細胞領域の分子組成が変化する可能性があり、共鳴エネルギー移動を細胞平均の測定に適用できる可能性が制限される。今回我々は、単一の生細胞におけるタンパク質複合体の大きさ、構成、空間分布をする方法を実証した。この方法は、スペクトル分解二光子顕微鏡、単純だが適当な理論、蛍光タグの賢明な選択に基づいている。いずれは、この方法を利用して、生細胞内部の個々の分子複合体のダイナミクスを追跡できるようになるかもしれない。</p>

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