Letter レーザー周波数コムを利用したフーリエ変換分光法 2009年2月1日 Nature Photonics 3, 2 doi: 10.1038/nphoton.2008.293 <p>吸収分光法を利用した分子フィンガープリントは、特にスペクトル情報の多い領域である赤外域において、強力な分析法である。フーリエ変換分光法は、幅広く利用されており広帯域分光に不可欠なツールであり、複数オクターブにわたるスペクトルの記録が可能で、100 MHzの分解能、<f>1 × 10<SUP>−9</SUP></f>の波数精度、<f>1 × 10<SUP>−2</SUP></f>の強度決定精度が得られる。一般的には、<f>1 × 10<SUP>6</SUP></f>の独立したスペクトル要素を、数時間内に同時に測定できるが、感度は平均的なものにすぎない。今回我々は、フーリエ変換分光の光源としてレーザー周波数コムを使うことによって、1回の実験でインターフェログラムにおける隣接コムラインのビート特性から、十分分解された広帯域吸収・分散スペクトルを記録できることを示す。したがって、感度は数桁向上すると予想される。今回、アセチレンの1.5 µm倍音バンドにおいて80 nm にわたって分解能1.5 GHzで、原理の実験的証明を行った。その結果、光学的変調を行わなくても、フーリエ分光計の性能が劇的に向上する可能性がある。</p> Full text PDF 目次へ戻る