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光エネルギー移動効率の高い近接場トランスデューサーによる熱アシスト磁気記録
Nature Photonics 3, 4 doi: 10.1038/nphoton.2009.26
近接場顕微鏡法によって20 nm未満の分解能での光イメージングが可能になったが、この技術の光スループットが小さいことはよく知られている。結果として、光データ記憶などの応用は非現実的であった。しかし、最適化された近接場トランスデューサー設計を利用して、我々は、光エネルギーを損失の多い金属媒体へ効率よく伝達でき、なおかつ回折限界よりもはるかに小さいスポット内にとどめられることを示す。このようなトランスデューサーを記録ヘッドに組み込み、回転するディスクの磁気記録媒体の上を浮動させた。波長830 nmの半導体レーザーの光出力をトランスデューサーで媒体に効率よく結合させて、70 nmトラックを数ナノ秒でキュリー点以上の温度に加熱し、面密度約375 Tb m-2でデータを記録した。このトランスデューサー設計なら、光スポットをもっと縮小できるはずである。