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鮮明な顔料分散体のヤング・ラプラス移動を利用したエレクトロフルイディック・ディスプレイ
Nature Photonics 3, 5 doi: 10.1038/nphoton.2009.68
従来のエレクトロウェッティング・ディスプレイでは、疎水性平面上で着色油膜の接触角を変化させている。我々は、エレクトロフルイディック・ディスプレイ、特に鮮明色の顔料分散体を直視する3次元マイクロフルイディック・ディスプレイ・デバイスについて報告する。電気機械的圧力を用いて、水性分散体を可視面積の狭い(<10%)リザーバーから可視面積の広い(>90%)表面チャネルへと引き出している。疎水性のチャネルでは分散体の曲率半径は小さく、リザーバーでは曲率半径が大きい。したがって、電圧を印加しないと、ヤング・ラプラス圧力によって分散体がリザーバーに引き込まれる。予備的な試作品は約55%の白色反射率を示しているが、今後の開発では約85%の反射率を目指している。独特な点は、エレクトロウェッティング・ピクセルと比較して、エレクトロフルイディック・ピクセルは、着色流体の可視面積がさらに2分の1~3分の1に減少しており(コントラスト向上)、双安定にできる可能性があり、約15 µmと薄く(丸めることのできるディスプレイが実現できるかもしれない)、動作電圧を高くしなくても小型化できることである。