Article エネルギーリレー色素(energy relay dye)を用いた色素増感太陽電池における集光性の向上 2009年7月2日 Nature Photonics 3, 7 doi: 10.1038/nphoton.2009.96 <p>従来の色素増感太陽電池は、優れた電荷収集効率、高い開回路電圧および良好な曲線因子を示している。しかし、色素増感太陽電池は可視および近赤外領域のすべての光子を完全に吸収するわけではないため、無機太陽電池デバイスよりも短絡光電流密度が低くなる。今回我々は、チタニアと結合していない高発光性発色団によって高エネルギー光子が吸収され、増感色素へのFörster共鳴エネルギー移動が起こる新しい設計について報告する。この新規な構造によって、より幅広いスペクトル吸収と色素担持の増加が可能になり、増感色素の設計要件が緩和される。我々は、有機増感色素(TT1)とともにエネルギーリレー色素(PTCDI)を用いると、電力変換効率が26%増加することを示す。我々は、このシステムにおける平均励起移動効率が少なくとも47%であると推定している。今回のシステムによって、より効率の高い色素増感太陽電池を開発する実行可能な手法が得られる。</p> Full text PDF 目次へ戻る