Letter 量子カスケードレーザーにおける超高速ラビ振動とコヒーレントパルス伝搬 2010年10月12日 Nature Photonics 4, 10 doi: 10.1038/nphoton.2010.205 <p>パルス伝搬現象は、レーザーにおける超短パルスの発生と増幅の要である。コヒーレント領域では、パルスと物質遷移の間の位相関係が維持されるため、光場と物質状態の両者の制御が可能である。コヒーレント操作の最も重要な方法はラビ振動であり、原子や単一量子ドットなどの少数準位吸収体においてよく知られた現象である。しかし、離散準位系とは異なり、半導体では電子バンドにおける位相緩和が強いため、ラビ振動ははるかに弱いことが多い。半導体吸収体で低密度誘起コヒーレント振動が観測されたが、能動半導体デバイスにおけるコヒーレントパルス伝搬現象は観測されたことがない。本論文では、動作している量子カスケードレーザーにおけるコヒーレントパルス伝搬について調べ、ラビ振動とコヒーレントパルス整形を直接観測している。本研究は、少数準位モデルの量子カスケードレーザーへの適用可能性を実証しており、新しい短パルス発生法の開発を促す可能性がある。</p> Full text PDF 目次へ戻る