Letter

電子線励起された窒化アルミニウム系量子井戸からの100 mW深紫外発光

Nature Photonics 4, 11 doi: 10.1038/nphoton.2010.220

<p>エキシマーランプや水銀ランプに代表される紫外光源は、現在、水の浄化・殺菌、バイオテクノロジー、フォトリソグラフィー、表面改質など、さまざまな用途に用いられている。しかし、限られた携帯性、低い発光効率、有害成分の存在という欠点がある。このため、それらの光源に代わる環境にやさしい高効率小型紫外光源を得ることに、かなりの技術的関心が集まっている。窒化アルミニウム系半導体は、この目的を果たす材料として有望であるが、電子伝導率の制御が困難であるため、発光ダイオードでは外部量子効率が低いことが障害となっている。今回我々は、電子線励起技術を利用して、240 nm で発光するAl<SUB><I>x</I></SUB>Ga<SUB>1−<I>x</I></SUB>N&sol;AlN量子井戸において、100 mWの出力と約40パーセントという記録的な電力効率を実証している。この成果は、高品質量子井戸内にキャリアを閉じ込めたことと、電子線励起用にサンプル構造を適切に設計したことによってもたらされたものであり、環境や経済上の利点が大きい次世代紫外光源の実現へ向けて、重要な道しるべとなるかもしれない。</p>

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