Letter イオンの光トラッピング 2010年11月8日 Nature Photonics 4, 11 doi: 10.1038/nphoton.2010.236 <p>イオンや原子を周囲の環境から隔離することは、量子レベルの実験において不可欠である。数十年前から、RF場でイオンを、光場で中性粒子をトラップすることによって、このような隔離が実現されてきた。今回我々は、光との相互作用によるイオンのトラッピングを実証する。光トラップ中での寿命は数ミリ秒なので光ポテンシャル中で何百という振動が可能であり、既存の方法で寿命を延ばすことができる可能性がある。これらの結果は、光トラッピングとイオンの利点を組み合わせる第1歩となるかもしれない。この方法を光格子に拡張すれば、実験的な量子シミュレーションの進展を下支えすることになるかもしれない。トラップされたイオンを用いた複雑スピン系のシミュレーションだけでなく、共通の格子中で原子とイオンを組み合わせた新しい量子シミュレーションが可能になるかもしれない(Cirac, J.I.、私信;Zoller, P.、私信)。さらに、イオンを量子縮退気体に埋め込むことができる可能性があり、これにより、RFトラップでは不可避で、低温化学実験を現在制約しているイオンの過剰な運動エネルギーを回避できるかもしれない。</p> Full text PDF 目次へ戻る