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ナノスケールポンププローブ顕微鏡法による過渡的キャリアダイナミクスの実空間イメージング
Nature Photonics 4, 12 doi: 10.1038/nphoton.2010.235
現在のナノサイエンスやナノテクノロジーの進展の基礎となるキーコンセプトは、小型化と高速化である。したがって、組織的ナノ構造体における過渡的なキャリアダイナミクスを極めて高い精度で調べる方法を開発することは、非常に望ましい。今回我々は、超高速ダイナミクスの空間的変動を実空間で測定できる新しい顕微鏡法について報告する。この新方法は、パルスレーザーを組み合わせた走査型トンネル顕微鏡法であり、パルスピッキング技術による新しい遅延時間調節方法を備えている。超短レーザーパルスで非平衡キャリア分布を発生させ、ポンププローブ技術を用いた走査型トンネル顕微鏡法で、その緩和過程を観測する。我々は、コバルトナノ粒子/GaAs構造体に伴うギャップ状態を通した励起キャリアの再結合を実空間で直接調べた。走査型トンネル顕微鏡ティップからのトンネル電流注入の減衰時間のサイト依存性を通して、ギャップ状態でのホール捕獲速度が初めてナノスケールで画像化された。