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飽和を超える数サイクル場によって生成される高エネルギーアト秒孤立パルス
Nature Photonics 4, 12 doi: 10.1038/nphoton.2010.250
これまで報告されたアト秒孤立パルスの応用は、超高速電子的過程の研究におけるアト秒技術の大きな可能性を示すものであったが、利用可能なアト秒光源の光子束が低いため限界があった。我々は、ターゲット上でのパルスエネルギーが数ナノジュールの、160 as以下の孤立パルス(光子エネルギー約30 eV)を生成したことを報告する。電場が制御され、ピーク強度がガス飽和強度を超える5 fsの駆動パルスによって、希ガス中でアト秒孤立パルスが高い効率で生成されている。ピーク強度の高いアト秒光源を利用できれば、原子分子物理学において電子的過程のアト秒ポンプ/アト秒プローブ研究への道が開かれる可能性があり、アト秒時間領域における複雑系の電子運動のコヒーレント制御の分野に興味深い見通しが得られる。