Letter 無秩序を利用した完全集束 2010年5月1日 Nature Photonics 4, 5 doi: 10.1038/nphoton.2010.3 <p>光学顕微鏡法や光学的操作法は、小さな体積に光を集束する能力を利用している。しかし、生体組織などの不均一媒質では、集束ビームから光が散乱される。無秩序な散乱によって、光学的方法の分解能と侵入深さが基本的に制限されると考えられている。今回我々は、光学実験において、散乱を利用することにより、集束のシャープさが損なわれるのではなく、むしろ向上できることを実証する。その結果得られた焦点は、透明媒質を用いるよりもかなりシャープである。レンズの後方の媒質中での散乱を利用することにより、レンズの回折限界の10分の1のスポットに光が集束された。我々の方法は、大きな成功をおさめた超音波、電波、マイクロ波の分解能と通信帯域幅の向上法の光学版である。我々の結果は、空間的波面整形を利用して得たものであり、位相共役や時間反転などの、散乱物質を通して集束するすべてのコヒーレント法に適用される。</p> Full text PDF 目次へ戻る