Letter 高速光通信用グラフェン光検出器 2010年5月1日 Nature Photonics 4, 5 doi: 10.1038/nphoton.2010.40 <p>シリコンは40年以上も固体エレクトロニクスの中心であったが、フォトニックデバイスではシリコン以外のさまざまな材料を用いて、動作波長領域を拡大したり性能を向上させたりしている。例えば、窒化ガリウム系材料によって、青色や紫外波長の発光が可能になり、高屈折率差シリコン・オン・インシュレーターによって超高密度フォトニックデバイスの実現が容易になっている。今回我々は、二次元炭素材料であるグラフェンを用いた光検出器を10 Gbit s<SUP>−1</SUP>光データリンクに初めて利用したことを報告する。今回の噛み合い型の金属-グラフェン-金属光検出器では、非対称メタライゼーション方式を採用して、従来のグラフェン電界効果トランジスター・チャネルの内部電界プロファイルの鏡面対称性を破り、効率のよい光検出を可能にしている。波長1.55 µmにおいて、6.1 mA W<SUP>−1</SUP>という最高外部受光感度が達成されている。グラフェンの独特なバンド構造と、グラフェン・エレクトロニクスやウエハースケール合成の幅広い進展によって、動作波長領域が300 nmから6 µmに及ぶ(あるいはこれを超えるかもしれない)グラフェン系電子-フォトニック集積回路の実現が今後期待できる。</p> Full text PDF 目次へ戻る