Letter

損失のある位相シフトの、量子的に高められた実験的推定

Nature Photonics 4, 6 doi: 10.1038/nphoton.2010.39

<p>量子的に高められた精密計測のパラダイムは、位相シフト測定を通してさまざまな物理量を検出できる光干渉法に見いだされる。標準的な光源を用いる場合、位相決定の精度は、ショットノイズによって制限される。ショットノイズの起源は、干渉計からの個々の光子のランダムな出現にさかのぼることができる。量子エンタングルメントによって、この限界を超える手段が得られる。有名な例としてN00N状態があるが、究極のハイゼンベルク限界まで精度が向上するものの損失に対して極めて脆弱である。これに対して、今回我々は、損失が存在する場合、適切に設計された量子状態は位相推定の精度において標準状態とN00N状態の双方をしのぐことを示す実験的証拠を提示する。このことは、デコヒーレンスが存在するときでさえも、計測を量子的に高めることが可能であり、そのための方法は、光でエンコードされた量子情報の保護とはまったく異なることを示している。</p>

目次へ戻る

プライバシーマーク制度