Letter

単一量子ドットにおける超高速光学スピンエコー

Nature Photonics 4, 6 doi: 10.1038/nphoton.2010.83

<p>多くのフォトニック量子ネットワーク案では、記憶素子として機能させるために物質キュービットを利用する。半導体量子ドットに閉じ込められた単一電子のスピンは、フォトニックネットワークに適合しうる有望な物質キュービットを形成する。超高速光学的スピン制御によって、マイクロ波制御や電気制御と比べてけた違いに速いピコ秒の時間スケール内で、ゲート操作をスピンで行うことが可能になる。単一量子ドットスピンでの量子情報の記憶に対する障害として、バックグラウンド核磁場の変化が遅いことによるナノ秒の時間スケールの見かけの位相のずれがある。今回我々は、超高速全光学スピンエコー技術を用いて、単一量子ドット電子スピンのデコヒーレンス時間をナノ秒から数マイクロ秒に増加させている。ゲート時間に対するデコヒーレンス時間の比は、10<SUP>5</SUP>を超えており、将来のフォトニック量子情報処理装置やリピーターネットワーク向けに非常に有望であることが示唆される。</p>

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