Letter 有機単結晶マイクロ共振器における室温ポラリトンレーザー発振 2010年6月1日 Nature Photonics 4, 6 doi: 10.1038/nphoton.2010.86 <p>有機半導体の光学的特性は、ほぼフレンケル励起子の概念のみを使って説明される。この説明では、励起電子と、電子が残した電荷をもつ空孔(正孔)との強いクーロン相互作用が、自動的に考慮される。光マイクロ共振器において、励起子-光子相互作用が励起子や光子の減衰率と比較して強い場合、この結合を正しく説明するには第二の準粒子であるマイクロ共振器ポラリトンが導入されなければならない。ポラリトンの基底状態占有率〈<I>n</I><SUB>gs</SUB>〉が1に達すると、ポラリトンからレーザーのようなコヒーレント発光が起こると予測されている。この過程は、ポラリトンレーザー発振として知られており、従来のレーザー発振に必要なしきい値よりもはるかに低いしきい値で起こりうる。有機半導体のポラリトンは、室温で非常に安定だが、我々の知る限り、これらの構造体からの非線形発光についてまだ報告がない。今回我々は、2つの誘電体ミラーに挟まれた融液成長アントラセン単結晶からなる有機マイクロ共振器における室温でのポラリトンレーザー発振を実証する。</p> Full text PDF 目次へ戻る