Letter

非対称にイオン化された気体からの蛍光のコヒーレント操作を利用した広帯域テラヘルツ波リモートセンシング

Nature Photonics 4, 9 doi: 10.1038/nphoton.2010.165

<p>テラヘルツ波センシングやイメージングは、学際的分野において科学技術的に大きな可能性があるため、大きな注目を集めている。しかし、環境中の水蒸気による吸収が大きいことへの対処が困難であるため、屋外型遠隔広帯域テラヘルツ分光法の開発は、国家防衛、天文学や環境モニタリングの分野におけるこの技術の緊急の必要性に応えられていない。従来のテラヘルツ検出法では、オンサイト・バイアスや光信号の順方向収集が必要なため、リモートセンシング利用が必然的に妨げられていた。我々は、テラヘルツ波と相互作用する非対称にイオン化された気体プラズマからの蛍光発光をコヒーレントに操作することによって、「全光」広帯域テラヘルツ波検出技術を導入する。この蛍光は、大気透過性が高く、発光パターンが無指向性であるため、この手法を用いて、スタンドオフ距離において、最低限の水蒸気吸収と無制限の光信号収集方向で、テラヘルツパルスを測定できる。我々は、10 mの距離で、コヒーレント・テラヘルツ波の検出を実証している。</p>

目次へ戻る

プライバシーマーク制度